班長ご挨拶
このAMED研究班は、難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班(難治性血管炎班)と協力して血管炎疾患に関する研究を行い、診療ガイドラインに資するエビデンスの創生、診断・治療の開発を2018年度から3年度の計画で行っています。この数年間で血管炎疾患に対する分子標的治療開発が急速に進み、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)に対してリツキシマブが、大型血管炎に対してトシリズマブが、さらに2018年には好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対してメポリズマブが適応を取得しました。難治性血管炎班は各種血管炎疾患の診療ガイドライン(CPG)を整備してきましたが、現在のCPGは分子標的治療が承認、または普及する前の臨床試験のデータを中心に作成されており、わが国における難治性血管炎の診療水準を最新の治療環境に適合させ、さらに向上させるためには、分子標的治療を含めた治療実態を把握し、診療をガイドする診断マーカー、活動性マーカーを同定し、新規治療戦略を構築することが喫緊の研究課題となっています。
本研究班はこれらの研究開発課題に多層的にアプローチし、難治性血管炎の未解決のCQをより高いレベルで解決することを目的としています。具体的には、1) Treat-to-Target戦略に基づく治療戦略の構築、2) 難病プラットフォームを利用した治療エビデンスの構築、3) 診断・活動性マーカーの確立を実施しています。実施にあたっては、難治性血管炎班と密接な連携をとり、全国のトップレベルの専門家の協力のもとに研究開発課題を遂行しています。これまでの当研究班の研究成果をAMED合同発表会で掲示したポスターにてお示しいたします。
日本医療研究開発機構(AMED)研究費 難治性疾患実用化研究事業
難治性疾患診療のCQ解決のための多層的研究 研究開発代表者
東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座教授・講座主任
針谷 正祥
難治性疾患診療のCQ解決のための多層的研究 研究開発代表者
東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座教授・講座主任
針谷 正祥
研究代表者
氏名 | 所属等 | 職名 |
---|---|---|
針谷 正祥 | 東京女子医科大学膠原病リウマチ内科学講座 | 講座主任・教授 |
研究開発分担者
氏名 | 所属等 | 職名 |
---|---|---|
勝又 康弘 | 学校法人東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座 | 講師 |
中岡 良和 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター研究所血管生理学部 | 部長 |
石津 明洋 | 国立大学法人北海道大学大学院保健科学研究院病態解析学分野 | 教授 |
天野 宏一 | 埼玉医科大学医学部リウマチ・膠原病内科 | 教授 |
土屋 尚之 | 国立大学法人筑波大学医学医療系分子遺伝疫学研究室 | 教授 |
石崎 淳 | 国立大学法人愛媛大学・医学部附属病院第一内科 | 講師 |
佐田 憲映 | 高知大学医学部臨床疫学講座 | 特任教授 |
川上 民裕 | 東北医科薬科大学医学部皮膚科学教室 | 教授 |
土橋 浩章 | 国立大学法人香川大学医学部血液・免疫・呼吸器内科学 | 准教授 |
長坂 憲治 | 国立大学法人東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科 | 非常勤講師 |
内田 治仁 | 国立大学法人岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 | 教授 |
要 伸也 | 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科 | 教授 |
関谷 潔史 | 独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター・アレルギー性疾患研究部 | 気管支喘息研究室室長 |
杉原 毅彦 | 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座 | 寄附講座准教授 |
中野 直子 | 愛媛県立中央病院 小児科 | 小児科医監部長 |
熊ノ郷 淳 | 大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学 | 教授 |
画像クリックで拡大できます。